現役時代に3冠王を3度獲得し、監督としては中日を4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏(70)が6日、自身のYouTube「落合博満のオレ流チャンネル」を更新。大好評対談企画「博満の部屋」の第7回として、当時世界記録だったプロ通算1065盗塁を誇る「世界の盗塁王」こと福本豊氏(76)をゲストに招いて対談を行った。

 落合氏は「走り方が変わったっていう話を聞きましたけど」と走り方の変化を質問。福本氏は「野球選手は大体、走ってる時にこういう(腕が横振りの)選手。体が真っすぐでこう(横に)振るんで、トレーニングコーチに自分の走り方を変えてもらったんです」と走り方を変えた経緯を説明した。

 指導を受けたのは東京五輪に400メートルリレーの日本代表として出場した浅井浄(きよし)氏だった。「ロッテに行かれた飯島(秀雄)さんと一緒に400メートルリレーをオリンピックで走った選手。その人が阪急に入られた。でも、もったいないからブレーブスの野球の方に出向で“トレーニングコーチしろ”って言われた。僕は同期入団。それで走り方を変えてもらった」と説明した。

 腕の振り方や足の上げ方、低姿勢で走ることなどを教わったそうで「癖になるくらいやらされましたね」と振り返った。「試合になった時も(浅井氏は)ベンチから見てるんで、ファーストランナー(の自分を)見た時に“(上体が)起きた”とか“ちょっとよくなった”とかそういうアドバイスをもらいながら毎日チェックされていました。それが自然とできるようになった」と明かした。

 走塁だけでなく、守備の時の走り方についても指導を受けたという。「ノックの時も(体勢が)起きたらあかんと。(打球が)カンっていうたら構えた姿勢でその打球を見ればいいんだ。それをこう(起きる)やるからものすごく上手い、下手が出てくる」と当時の指導を説明。「そのままの姿勢でスタートを切る。目の位置を変えないでいくっていう練習をキャンプの時からずっとでしたね。教えてもらう人にも恵まれた」と感謝した。

 盗塁の際のスタートを切る際の姿勢もアウト、セーフの明暗を分けるといい「(体勢が)起きたら遅いやんかって。(体勢が)起きたらコンマ何秒か(誤差が)ある。アウトや思ってそのまま(体勢を低く)いったらセーフになってる時がある。これ楽勝と思って(体勢が)ポッと(浮いて)いった時にアウトになってる時がある。走る時の癖もベンチから見てもらって、よくウエストされるなって時にちょっと体がこう(二塁方向へ傾いて)なってるよとかも見てもらいました」と振り返った。落合氏が「恩人の1人ですね」と言うと、福本氏は「もう、そう。走れる走り方を教わった。ももの上げ方とかこういうのはどこのチームでもやるんですが、特別にそういうふうに教わりましたね。走る格好も大事ですね。いいピッチャーを見てたらきれいな走り方をするもんね」と感謝した。